欧和について
またいつものようにbrillat savarinの麦酒天国さんからレビューを拝借して、欧和についての詳細をお届けしたいと思います。
欧和(オウワ;ベルギー/フラマン・ブラバント州)。容量330mL、アルコール度数5.0%、原材料 大麦麦芽、ホップ、米(1%)。専用グラス は陶器です。
外観はやや濃色のアンバーで濁っています。カーボネーションはやや強い印象。ベルジャン・エールとしては珍しく、ホップのアロマが比較的明瞭で、これにミルクチョコレート様の香味、コーヒー様の風味。残糖感が比較的弱く、仄かなポン菓子(ドン菓子)のような甘さ。フィニッシュの苦味は強め、僅かの酸味を帯同して引き締まり、ドライ感、スナップ感に優れています。ボディは弱〜中以下。淡く飲みやすい。ベルギーにはあまり見当たらない類のビール。
日本人として初めてベルギーにおいて、レシピを組むところからビール醸造を行ったという今井礼欧(Leo Imai)氏の品。
同氏は、大手ビール会社に就職したが、「自分の手で造ったビールを責任を持って提供したい」と一念発起し、退職して英国の大学院で醸造学を勉強。2002年から2年間、ドイツ・バイエルン州のビール醸造所でビール造りを実地で学んだ。その後、多様なビールを造るベルギーに渡った。20以上の醸造所を回った末、ベルナルド・レブック(Bernard LeBoucq)氏の経営する『シント・ピーテルス(Sint Pieters)醸造所』で働くことになった。レブック氏は、「欧和」の製造を快く受け入れた。
(参考:日本経済新聞/四国新聞 2006年6月12日、一部改変)
このビールは2006年5月12日に初めて誕生し(初回1,000本)、ブリュッセル市内の日本料理店を中心に飲まれているといいます。
シント・ピーテルス醸造所は2004年秋に創設された醸造所。本醸造所は元ドゥ・ランク(De Ranke)醸造所で醸造していたYvan De Baets氏と協力し、新たにドゥ・ラ・セーヌ醸造所(De la Senne:或いは、de Zenne ※)として生まれ変わろうとしています(移行期は、ドゥ・ランク醸造所でこの醸造所の品を造るとのこと)。
今井氏はその後、ブリュッセルの中心から離れたウックル(Uccle)の付近の醸造所跡を借り、自力で改造して、試験醸造をはじめました(写真:試験醸造所)。実際の醸造・瓶詰はヴァルデュー醸造所(Val-Dieu)で行っています(2009年9月現在)。
最後に、日本とベルギーの架け橋となっている今井氏と輸入に熱意を示した方の、志の交差点でこのビールが飲めることを喜びたいと思います。
※ドゥ・ラ・セーヌ醸造所は(今回ご紹介の欧和と同様)ホップがやや利いているジンネ・ビール(Zinnebir ※)をフラッグとしており、他にも軽めのスタウト風エール「スタウトリーク(Stouterik)」なども醸造しています。Senne(セーヌ:フランス語)/Zenne(ゼンネ:フラマン語)は両者とも同じ川のこと。“Zinnebir”の“Zinne”も“Zenne”が訛ったもの。
【参考文献】
brillat savarinの麦酒天国.
Tim Webb. Good Beer Guide Belgium, CAMRA Books(2005), p.138.
日本経済新聞2006年6月12日号ほか.
【参考HP】
ラ・センヌ醸造所HP(仏語、蘭語)
http://www.brasseriedelasenne.be/
今井氏のプロフィール等
http://www.newsdigest.fr/newsfr/content/view/3274/83/
最後の「日本とベルギーの架け橋となっている今井氏と輸入に熱意を示した方の、志の交差点でこのビールが飲めることを喜びたいと思います。」と言うお言葉。
まさにこの輸入に熱意を示した方が麦酒本舗に卸してくださっています。
麦酒本舗は今井さんとはちょっと違う角度から、日本とベルギーの架け橋になる事を目指して営業しています。
つまり、ここ(麦酒本舗)が志の交差点の一つであると言っても過言ではない!…ですよね?(^▽^;)
麦酒本舗では欧和がレギュラー化されました。
みんなで一緒に、ベルギーで頑張る今井さんを応援しましょう!!
※過去のレビューではアルコール度数が5.0%表記ですが、現在入荷しているもののラベルには5.5%と表記されています。
下記サイトでも欧和のレビューが見られます
NED-WLT 酒井穣のパーソナル・ブログ
http://nedwlt.exblog.jp/7922667/
ベルギービール博物館
http://www.geocities.jp/beerforum/O/owa.html
ブリュッセル→東京 日々つれづれ